愛と生命の言葉
桜
人々の心をなごませてくれる桜は立派だ。
大自然
窓を開けなされ。
本なんか読まずテレビなぞ見ずともよい。
天地をじっと眺めてみなさい。
何万、何億もの大自然のドラマが見える。
何万冊の本、何十年分のテレビ番組よりも
そこから見た景色のほうが見あきないはずだ。
そして、何千倍もの真実を見せてくれる。
存在
木や草や山や川がそこにあるように
人間もこの自然の中にあるからには
ちゃんと意味があって生きているのだ。
あらゆるものとつながりを持って・・・
そのつながりの中でおまえは大事な役割をしているのだよ。
もしおまえがこの世にいないならば
何かが狂ってしまうだろう。
美
美しさとは一体なんだろう。
この世でこれほどあいまいな言葉はないだろう。
美しい姿、美しい心、美しい生き方、美しい死
これらはかげろうのように
時とともに変わっていくものなのだ。
つかのまの芸術
わしらは花や枝を摘みとって、さします。
その花はほんの二三日で枯れてしまう。
しかし、その二、三日、いや、たった一日でも
芸術をつくりあげるのです。
つかのまの芸術です。
しかしそれは永遠に記録されます。
人間は素晴らしい~愛と生命の言葉/手塚治虫 より抜粋
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